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坪倉 篤志
情報工学専攻・後期課程1年(1996年本学電子物性工学科卒業)
人と対話するような感覚で、「コミュニケーションできるマシンを作りたい!」って言うのは、多くの工学、情報系の方々の望みであると思います。
それらを、認知科学的な側面と、測定された/測定しているデータと、知識処理を用い、リアルタイムにユーザーの操作にフィードバックかける。これが、我々の研究タイトルです。例えば、アイカメラのような、装置を装着している人の目線を測定する装置があります。この測定データを用いる事により、見た物に対する操作インタフェースの構築等です。こう言えば簡単なのですが、例えばゲームを行っている人を見ていると、その人はゲームをくり返す毎にどんどん上手くなっていきます。これは、ゲームの場面に上手く対応して、出てくる敵やボタンを押すタイミングを学習するためです。となると、ゲームをくり返す内に、ゲームをする人の見る所と、その目的は変わっていきます。例えば「敵を迎撃するために、それを見たのか?」「敵か味方か、まだ解らないから、それにミサイルが当たらないように位置を確認するために見たのか?」この判断はそう簡単ではありません。この問題は、マンマシンインタフェースでも同じ事が言えます。人の状態、欲するモノは時事刻々と変化し、それに上手く対応できなければなりません。じゃあ、どんなモノが人間にとって使いやすく、人と対話する感覚でコミュニケーションできるのか?これについて、我々は今、色々な側面から科学しています。
これらは多くの測定装置を用いた人間計測、行動予測や測定データ解析等を行うための知識処理、さらに、新しいモノを追求するのですから、測定装置を研究室で自作するためにハードウェアレベルから研究と開発を行わなければなりません。これだけの事を一人でするのは非常に大変です。これらを実現するためには色々な研究者や開発者の協力が無ければなりません。
初めは何も解らない事もあります。これは当然の事です。でも、「これを勉強したい」、「身に付けたい」、「追求したい」ってモノが何かあるなら、それを一生懸命できる。それが、大学院だと思います。
当然ながら、大学機関の研究室であるわけですから、学術的であり先進的なモノ、本質を追い求めなければなりません。そして、後期課程であるなら、研究成果は、国際会議や論文等の形で発信できなければなりません。これは非常に難しく大変な事です。
でも、自分の見い出した研究成果、発見した事、それが世界に認められる可能性が多いにあります。競争相手は、全世界の大学や、企業の研究所等です。世界に向けて、新しい情報の発信、研究成果として提案するモノを探究する場として、私立大学である大阪電気通信大学の大学院は「多くの可能性」と「柔軟性」を持つ場だと思います。